理念
SSH事業Ⅲ期目 概要
目的
OECD Education2030では,先の見えない時代の中で,個人・社会のレベルで“ウェルビーイング(Well-being)”を実現させていくことが重要であるとされています。そして,その中で中核的な概念として,“エージェンシー(Agency)”が設定されています。エージェンシーとは,“変化を起こすために自分で目標を設定し,振り返り,責任を持って行動する能力”と定義されています。つまり,これからの科学技術社会で活躍できる人材には,“変わらない科学と技術の本質”と“新たな科学と技術の進展”を主体的に楽しみながら学び,社会の一員として,科学・技術を用いて社会をより良きものに変えていくよう行動できることが求められると言えます。そこで本校では,「生徒エージェンシーを育む次世代理数カリキュラムの開発と普及」という研究開発課題を設定しました。SSH事業を通して,新たな理数カリキュラムを開発・実践・普及させ,生徒エージェンシーを育み,次世代の科学技術社会で活躍する人材を育成することを目的としています。
SSH事業の柱
1.教科融合・連携による授業開発
探究活動も含めた多くの教科・科目で教科融合・教科連携を実現させ,日々の授業と探究活動の接続を良くすることで,本校のカリキュラム全体の質の向上を図ります。次世代人材のための教科融合・教科連携での授業開発の実践を通して資質・能力の育成を目指しています。
2.探究活動
1年次の「SSH探究基礎」では,探究活動の基礎となる資質・能力の育成を目的に,グループワークを行いながら探究の手法を学びます。「研究倫理」や「探究手法」を学んだり,「プチ探究」といって次年度の探究の予行練習をしたり,実践的に学んでいきます。
2年次の「SSH探究」では,自ら設定したテーマについて1年間かけて,実際に探究活動に取り組みます。試行錯誤を重ねながら,テーマを追究していくと共に,資質・能力の育成を図ります。
3年次の「発展SSH探究(選択)」では,2年次に探究したテーマをさらに発展させ,より深い探究活動に取り組みます。成果はSSH生徒研究発表会や国内外の専門学会での発表,科学賞への論文投稿などを通じて発信しています。
3.国際交流
本校では,タイ王国・プリンセス・チュラポーン・サイエンス・ハイスクール・チェンライ校(PCSHSCR)との研究交流を行っています。毎年1月に本校生徒を派遣し,4月にはPCSHSCR校の生徒を受け入れ,双方でScience Fairを実施しています。また,オンラインでの共同研究「STUDENTS’ JOINT RESEARCH」を継続し,国際的な研究交流を深めています。さらに,学習旅行に探究発表の機会を組み込み,英語でのプレゼンテーションを行う予定です。加えて,国内外の学校との研究交流や国際発表の機会を活用し,生徒の探究活動の質を高めることを目指しています。
4.SSH特別授業
「SSH特別授業」では,生徒が科学技術の新たな知見に触れたり,通常の授業では体験できない実験を行ったりする機会を提供しています。また,共通の興味・関心を持つ生徒が集まり,探究活動を継続的に進める場ともなっています。1〜3年次の希望者を対象に,平日放課後や土曜探究の日の午後(一部は日曜・祝日を含む)に実施し,講義・講演会,実験,フィールドワークなど多様な形態で展開しています。特に,外部の研究者・専門家を講師として招き,校外の多様な人々とつながる学びを重視しています。
SSH事業の運営体制
SSH事業は,研究部・SULEのメンバーが中心となって企画・立案をし,全教員体制で実施する。また,研究部・研究推進や教育工学と連携を取り合い,様々な観点からSSH事業の改善を目指す。
また,本学の附属学校園の各校はもとより,他の高校,大学,研究機関,企業などとも連携を取りながらSSH事業に取り組む。
SSH運営指導委員会
SSHの研究助言を目的として、SSH運営指導委員会を構成しております。
氏名 | 所属 | 役職 |
川合 眞紀 | 自然科学研究機構 | 機構長 |
久田 健一郎 | NPO法人地学オリンピック日本委員会 | 理事 |
岩附 信行 | 1) 独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構 2) 東京科学大学 | 1) 研究開発部 特任教授 2) 特命教授 |
秋本 弘章 | 獨協大学経済学部 | 教授 |
林 一輝 | NHKメディア総局第2制作センター(科学) | チーフ・プロデューサー |
狩野 賢司* | 東京学芸大学 | 教授(副学長) |
西田 尚央* | 東京学芸大学 | 准教授 |
中西 史* | 東京学芸大学 教職大学院 | 准教授 |
小林 晋平* | 東京学芸大学 | 准教授 |
*アドバイザー