特別授業

概要

特別授業では,生徒たちの主体性や,理数系の現象に対する興味・関心,意欲を向上させることを目的としている。探究活動や海外交流などに前向きに取り組ませるきっかけとなるような授業を実施している。

具体的には,探究活動につながるような連続的な授業(宇宙人文学)やテーマごとのフィールドワーク・巡検(東北スタディツアー,荒崎巡検など),工学的な視点での実験(飛び出せ工学君),専門家の講演など,内容・形式は様々である。

2023年度活動報告

2023年4月22日 無重力実験講座 活動報告

SSH特別講義「無重力実験講座」の活動を行いました。チーム無重力は,4月に新入生を迎え,今年度の本格的な活動が始まりました。

今日はパラボリックフライトマネジメント社の貫井智之さん,宇宙系団体SCOPEの神田大毅さんにお越しいただき,ご指導いただきました。はじめに貫井さんによるショートレクチャーで,最近の微小重力研究の動向や先端の情報について学び,その後,落下運動による微小重力実験に取り組みました。3年生は3月の日本大学落下実験塔での実験のブラッシュアップ,新入生は微小重力ならではの,物体が浮遊する様子をなんとか撮影できないか,それぞれ奮闘していました。今年度も無重力実験講座では「10年後の宇宙生活を豊かに」をテーマに,活動していきます。

2022年度活動報告

2023年3月30日 日本大学生産工学部(津田沼キャンパス)落下塔実験 報告

2022年11月3日の視察に引き続き,SSH特別講義「無重力実験講座」の活動の一環として,日本マイクログラビティ応用学会にご協力いただき,日本大学生産工学部(津田沼キャンパス)の落下塔実験装置で,落下運動による微小重力実験を実施しました。

今回は落下塔実験装置の寸法に合わせて自作したカプセルを持ち込み,カプセル内に微小重力下でのふるまいを調べたい実験セットをセッティングし,実際に落下している最中の様子をスマートフォンのカメラで撮影することで実験を行いました。実験したのは毛細管現象,水平管内の液体と気体,二重振り子の3つでした。

苦労して作った自分たちのカプセルが,落下塔実験装置に収まっていく様子には,感慨や感動があったようです。実際にやってみないとわからないことも多くあり,生徒たちは学びを多く得ることができたのではないかと思います。うまくいかなかったこともありましたが,次に進むための材料を十分に得られたと思います。

2022年11月3日 日本大学生産工学部(津田沼キャンパス)落下塔視察 報告

SSH特別講義「無重力実験講座」の活動の一環として,日本マイクログラビティ応用学会よりご紹介いただき,日本大学生産工学部(津田沼キャンパス)の落下塔実験装置を視察しました。生産工学部の野村先生、菅沼先生、そして、学生の皆さんにご指導いただきました。

本物の落下塔を見学し、落下実験のイメージを持つことができたのはもちろん、たとえ小さい装置、ねじ一本であっても、一つ一つに必ず意味があり、工夫があり、決して最初から最後まで計画通りに全てが進んだわけではなく、試行錯誤をしながら作り上げているのだということを、生徒は感じたのではないかと思います。まさに工学的発想を目の当たりにしました。実際に300kgの装置が落下する様子は、非常に迫力がありました。

今回見学させていただいたような落下塔や装置を,自分達の手で作りたい、という熱意に火がついたのではないかと思います。

※「無重力実験講座」は年間通じて,有志生徒が活動を進めており,本講座に参加している生徒は,自分たちでイチから落下実験用のカプセルを製作し、それを自由落下させることで、わずかな時間ですがカプセル内に無重力状態を作り出し、無重力下での様々な現象を探究しようとしています。

2021年度活動報告

SSH特別授業 飛び出せ工学君!

令和3年12月17日(金)に東京工業大学の岩附信行先生(国際広報担当副学長・工学院機械系教授)に「飛び出せ工学君! 〜高校数学を駆使して「カム機構」を創る!〜」という題で特別授業をしていただきました。

工学が人類を幸福にする学問であるということをお話しいただき、その代表的な分野である機械工学の役割である「ものづくり」について説明していただきました。最後にものづくりの例として、カム機構を実際に作成しました。

科学技術立国である日本を支えているのは工業・工学分野であり、その中でも機械工学は工学・工業のすべてに関わるオールマイティの学問です。それらの基礎は高校の数学・物理で培われますが、一般的な高校では問題を解くことを中心としている場合が多くなっています。岩附先生には、高校生が「解く」ことの苦しみから「創る」ことの愉しさへと転換してもらえるように、そして未来の科学技術立国を支える人材が少しでも増えてくれることを願って、この授業をしていただきました。

1年生12名,2年生1名の計13名が参加しました。また、東京工業大学工学院機械系機械コースの大学院生2名がTAとしてお手伝いくださいました。

日経サイエンス誌の企画による生徒対象の講演会

SSH特別企画として日経サイエンス誌の企画による生徒対象の講演会「社会発見,サイエンス講義」を令和3年12月17日(金)に行いました。
清水建設が実施している「シミズ・オープン・アカデミー」の内容を学校での出前講義として行ったものです。
①  安全安心な建物のために=免震・制振など地震から建物を守るための技術の紹介

②  高層ビルが出来るまで=高層ビルが完成するまでの一連の作業と現場で活躍するロボットの紹介
など、建築業界の最先端の技術について楽しく学ぶことができました。
生徒たちは、歌舞伎座をリニューアルする際に、その前の建物と同じ音響状態にするために、6ヶ月もかけて音響のシミュレーションをした話や高層ビルの完成後にタワークレーンを解体して降ろす話などの、具体的な対応に興味を持ったようでした。

この企画を準備いただきました皆さま、ありがとうございました。

コロナ禍が治まり、清水建設技術研究所にお伺いできることを楽しみにしております。