校長BLOG

第35回校長BLOG

2022年度 第1学期終業式

以前、前任校の1学期の終業式で、満18歳以上に投票権が与えられるという話をしました。この年、改正公職選挙法が衆参両院で全会一致で可決され、選挙権年齢が満18歳に引き下げられたのです。選挙権年齢の引き下げは、昭和20(1945)年にそれまでの「満25歳以上の男子」に限られていた選挙権が「満20歳以上の男女」に改正されて以来、約70年ぶりのこととなると話しました。

それから7年たち、現在の本校3年生の中には先の参議院選で投票した人もいたかと思います。皆さんは政治への興味・関心を持っていますか。

現在、世界は新型コロナウイルス感染症に苦しみ、ロシアのウクライナ侵攻に脅威を感じ、温暖化など地球環境の悪化に手をこまねいています。日本でも、少子高齢化や経済の低迷など課題は目白押しです。

これらの問題に対処する一つのそして大きな手段が政治です。課題が多いからと言って虚無的になることなく、高い理想を掲げて、目の前の一つ一つの課題に地道に取り組むことが必要でしょう。それには、政(まつりごと)はわがことにあらずなどと気取ってはいられません。政治をよくするのは、人々の政治への関心です。今、国や社会で起きている問題を自分の問題として捉えることや、政治の在り方や社会の在り方について、関心をもって勉強し、社会参画することが大切になります。

我が国の憲法では国民主権をうたっています。国民主権とは、一国の政治の在り方を最終的に決定するのは国民であるということです。主権者である国民として民主政治を維持するためには、皆さんの政治参加が必要となります。自ら考え、自ら判断し、自ら行動すること、特に選挙においては、情報を集め、よく考え、投票先を決め、投票に行くことは政治参加の一つです。大切なことは、多くの課題に直面している我が国において、皆さんが国や社会の課題について、当事者としての意識をもち、参加、協働、支え合いなどによって活気のある社会を形成していくことだと思います。今後は、高校生も政治について、正しい知識を身に付ける必要があります。皆さんが社会参画、とくに選挙時においては投票という政治参加によって、よりよい社会を築いていく担い手の一人になることを願っています。

ということで、今月の一冊、「日本の思想」 丸山眞男 岩波新書。1961年発行という古い本です。しかし、ロシアのウクライナ侵攻以来、現実主義の言説がまん延する中、私自身も保守的現実主義者なのですが、あえてリベラルな理想主義の本を読む価値はあるかと思います。リベラルと言ったらこの人、丸山眞男の『政治的思想』にかかわる著作です。日本の政治思想・政治論争には歴史性が無い。丸山はなぜそう思うのか。読んでみてください。

最後に決まり文句

充実した夏休みを過ごしてください。しっかり成長した皆さんに始業式の日に会えることを楽しみにしています。