校長BLOG

校長BLOG特別編<新入生オリエンテーション>

新入生の皆さん、校長の大野です。

今日の体調は如何ですか。皆さん自身のため、ご家族のため、周囲の大切な方のために、3密防止等の感染予防策をしっかりとってください。例えば、朝、家を出る前の検温とそのオンラインでの報告を忘れないようにお願いします。

 

しかし、コロナ、コロナとそのことのみを考えているのも問題です。時には周囲に目を向け、今の季節、今でなければ味わえない美しさを楽しんでください。心と体を緩めるときがあってこそ、必要な時には集中して取り組むことができるのです。

 

ということで、リラックスできる話をします。本校ゆかりの花、木蓮の仲間、モクレン科モクレン属の話です。

3月まで、辛夷の花が咲いていました。木に咲く白か薄い紅色の清楚な花です。学名をMagnolia kobusといいます。Magnoliaが属名、いわば姓です。 Kobusが種名、名前ですね。関東では卒業式の時期に咲く早春の花です。東北ではもう少し後、入学式と重なるのでしょうか。皆さんのお祖父さんお祖母さんならよくご存じの千昌夫という演歌歌手の『北国の春』にうたわれています。花言葉は「友情」。本校の同窓会も辛夷会といいます。

 

そして、今の時期は、本家のモクレンMagnolia quinquepetaが咲き始めます。花の外側が紫で中が白い。別種に花が白く高い木となるハクモクレンがあります。

 

最後はタイサンボク、Magnolia grandiflora、学名の意味は、ラテン語でとても花が立派なモクレンとでもいったところでしょうか。6月か7月に白いオオハクチョウのような花が咲きます。花はよく香り、香水などにもなります。本校の校章はこの花をデザインしたものですし、教育目標や校歌はこの花と木をイメージしています。花言葉は、「前途洋々」。まさに皆さん附高生にピッタリの花です。本校の玄関わきに、厚くて大きな濃い緑の葉を持つ10mほどの木があり、梅雨の時期に花が咲きますので今年は意識して見てください。花は高い位置に上を向いて咲くので、本当は上から見下ろすと綺麗です。

校歌の2番、「花あり あふるる 白きひかり ゆたかなるかな 葉かげ薫れり」は、まさにこの泰山木の白くおおらかな花と濃い緑の艶やかな葉を表しています。また、教育方針の「清純な気品の高い」や「大樹のように大きく伸びる」は泰山木の花と幹の様子からとったものでしょう。新入生の皆さん、是非、辛夷や泰山木に倣い、豊かで充実した附高生活を送ってください。私も、先生方も、上級生たちも、皆応援しています。

 

最後に、皆さんに本を一冊紹介します。新潮文庫等、サマセット・モーム、『月と六ペンス』。私は、高校生には少し背伸びした本を勧めてきているのですが、この本は読書の楽しみを味わえる皆さんにぴったりの面白い物語です。閉塞感が漂う今、面白い小説でリフレッシュしてください。是非、一読を。